アイラ島では毎年5月最終週から6月第1週にかけて、ウイスキーの祭典「アイラ・ウイスキー・フェスティバル」が開催されます。期間中、日替わりで各蒸留所で「オープン・デー」が開催され、熱心なモルトファンが現地でしか購入できない限定商品を求めて蒸留所を訪れます。「オープン・デー」の最終日を飾るのがアードベッグ。この日を「アードベッグ・デー」と定め、アイラ島に集結するアードベッグファンのみならず、世界中のアードベッグファンと一緒にお祝いする日としています。
そんなアードベッグ・デーが今年も6月5日に開催されました。残念ながら今年も昨年に引き続き、新型コロナウイルスの流行により完全オンライン形式で行われました。
この機会に発売される限定商品はその年のアードベッグ・デーのテーマを表現した個性あふれるもので、毎年異なるコンセプト、原酒構成で新しいアードベッグを発売しています。
2021年は英雄やドラゴンの物語が多く語り継がれるアイラ島ならではのテーマです。中でも最強の伝説と言われる強烈なアードベッグの炎を噴くドラゴンのお話がテーマとなりました。
ドラゴンはアードベッグ蒸留所の3番倉庫に住み着き、気性が荒く、強烈にスモーキーな息を吐き、蒸留所の人たちを恐怖に陥れていました。そんな中、立ち上がったのがアードベッグのマスコット犬、ショーティー。果敢にドラゴンと戦い、無事に蒸留所を守り抜きました。戦いに敗れたドラゴンは究極のスピリッツへと姿を変え、戦いの炎によって施されたチャーのカスク(樽)が勝利の証として残りました。(伝説というより夢物語。)
使用された樽は2種類で2011年のアードベッグ・デーでリリースされた「アードベッグ アリゲーター」の樽のセカンドフィルとバーボン樽と言われています。
ここ数年、ワインやラムの空き樽を使用し、フィニッシュで香り付けをしているものが続いていました。しかし今年はアイラモルト、アードベッグらしいスモーキーで強烈な味わいが堪能できると思います。
「強烈なススと煙」をイメージしヘビーチャーされた元バーボン樽で熟成され、“スコーチ”と名付けられました。(英語で「焦がす」「炙る」)是非ご堪能下さい。