従来のたばことは違い、煙の出ない電子たばこiQOSの爆発的人気や、昨今の世界的な禁煙ブームにより、禁煙のバーやカフェが増え、哀しいかな葉巻を愉しむ場所が少なくなってきました。禁煙はブームにとどまらず、厚労省は自民党と受動喫煙禁止法の協議を続け、2019年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会と、2020年東京五輪・パラリンピックに向け、秋の臨時国会で法案の成立を目指しています。
葉巻愛好家として知られる麻生太郎副総理兼財務相は「たばこが吸えないシガーバーには行かないようにしたい」と発言したことは、葉巻愛好家の方々には共感できるのではないでしょうか。
日本国内ではこうした法整備が進み、ますます葉巻を愉しむ場所が無くなっていくことは、愛煙家の皆様にとって、心中穏やかではいられないことだと思います。
一方、葉巻大国のキューバでは新たな動きがありました。
オバマ前政権によって米国とキューバの国交が回復した事は世界的なニュースとなり、ご存知の方も多いと思います。しかし、トランプ米大統領は先日、オバマ前政権が緩和した対キューバ経済制裁を再強化(渡航制限を厳格化するほか、キューバ軍関連企業との取引を規制)する方針を発表しました。2015年7月に実現した約半世紀ぶりの国交回復は維持しつつ、キューバの軍部とつながりがある企業との取引禁止や、米国人のキューバへの渡航規制の厳格化などの措置が検討されています。現在も完全に国交が回復したとは言い難い状況ですが、両国とも国交正常化に向けて進んでいることは事実です。
そんな変わりつつある現在のキューバを伝えるべく、日本ではキューバの特集番組が放送されています。
昨年は、俳優の向井理さんがナビゲーターを務めたドキュメンタリー番組「キューバが愛した日本人〜向井理、最後の楽園へ〜(日本テレビ)」や、シンガーソングライターの久保田利伸さんがナビゲーターとして、キューバの音楽・歴史・文化・国民の生活を伝えた「クリスマススペシャル 久保田利伸 キューバ音楽紀行(BS日本)が放送され、大きな反響がありました。
また、先日発売された、お笑いコンビ オードリー若林正恭さん著書のキューバ旅行記エッセイ「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」では、たった5日間の弾丸旅行で、体験し感じたことが書かれ、若林さんが豪快に葉巻をくわえる写真も掲載されています。
こうした影響力のある方々の発信で、キューバの文化を知る機会や葉巻を目にする機会が増え、葉巻やキューバに興味を持たれるお客様も多くなってきています。今まで遠く感じていたキューバや葉巻の世界も、少しずつ身近なものになりつつあるのではないでしょうか。
当店でも、葉巻やキューバに興味を持たれているお客様が多数いらっしゃいます。数年前から続けているこの葉巻人気ランキングも非常に好評です。
ヴェゲロスとは、スペイン語で農家という意味で、1996年に誕生した葉巻ブランドです。しかし、わずか16年という短い期間で、リリース全ての葉巻が製造中止(2012年)になってしまいました。ところがその2年後、現代風なデザインになり2014年に再び3種類のヴィトラで戻ってきました。葉巻ファンの間では大きなニュースでした。
今回は、近年品薄・終売・新しいヴィトラの発売がちらほらある1位コイーバ・2位モンテクリスト・3位のトリニダッドに注目してみたいと思います。
シガーの最高級ブランドと知られ、あの有名なカストロ議長も愛し、元SMAPで俳優の木村拓哉さんが昔に出演していたドラマ「ギフト」にもコイーバが出てきます。
最近では、有名時計ブランド「ゼニスや、キューバ産のラム酒「ハバナクラブとコラボレーションしています。
コイーバはキューバ国家VIP用に作られ、もともと一般的には流通していませんでした。
ブランド名は、コロンブス新大陸を発見した当時「タイノ族」と呼ばれる先住民が吸っていた植物名に由来していて、ロゴマークは「タイノ族」の横顔と言われています。
今回のグラフを見てみると「シグロ2」「シグロ1」「セクレトス」が全体の半数以上占め、その中でも全体の19%、17%と占めているのは、「シグロ2」「シグロ1」です。
シグロシリーズは1992年に発売され、キューバ発見500周年を記念して造られた葉巻です。
「シグロ2」「シグロ1」の喫煙時間は30分~40分位で、愛好家にも人気があり男女問わず親しみやすい葉巻です。
コーヒー豆やカラメルの風味で最後まで深い味わいが楽しめます。
3位にランクインしたのは「セクレトス」です。2007年に発売され、ラッパー(1番外側の葉)は5年間熟成されています。
シグロ1と同じ位のサイズで、価格差は少しありますがその価格差を埋めるぐらい十分すぎる美味しさで、エスプレッソやダークチョコレートを思わせるような風味…まさに圧巻です。
まだ吸われていない方には、是非お勧めの1本です。
アレクサンドル・デュマの小説「モンテクリスト伯」がこのブランド名の由来です。
昔、キューバの葉巻工場では、シガーを巻いている巻き職人(トルセドール・トルセドレス)が退屈しないように、レクトール(朗読する人)によって様々な小説や新聞などが読み語られ、それを聞きながら作業をしていました。
その際に小説「モンテクリスト伯」は、巻き職人達にも大変人気を博したそうです。
モンテクリストには、近年新しいヴィトラが次々と投入されており、ロメオイフリエタなどと共に、現在ハバノスが最も力を注いでいるブランドの一つと考えられます。
ランキングの1位から4位はブランド創業当時から存在するヴィトラであり、世界的にも不動の人気を誇ります。
もちろん当店でも人気で、集計を取り始めて以降モンテクリストのランキングのトップ4は常にこの4種類で形成されています。
今回新たに6位にランクインしたのが2013年にリリース開始されたペティNo2。
喫煙時間は40~50分と手を伸ばしやすいサイズで、モンテクリストの中でもファンの多い№2を短時間で楽しむことができる点で人気を集めています。
味わいの印象としては、No2よりも優しく繊細で上品な甘味が感じられ、初心者の方にもぜひ手に取っていただきたいシガーです。
キューバ政府VIP贈答用としてトリニダッドは長い間、一般人が吸えない幻のシガーとして有名でした。コイーバが知的な男性としたら、トリニダッドは妖艶な女性と例えられるぐらい大局的な味わいです。ライトで柔らかくてしなやかなアロマ、クリーミーで繊細な味わいで、入門者から~上級者を魅力し、葉巻愛好家にも大変人気の商品です。
今回トリニダッドは上位の3位にランクインしました。禁煙ブームが広がり紙煙草から葉巻に移行される方が徐々に増え、葉巻人口も増えています。ライトな味わい故に、葉巻初心者の方が入門葉巻として吸われる為、トリニダッドが人気を集めていると思われます。
中でも95%を占める圧倒的人気が「レジェス」です。サイズも一番短く30分ほどで吸い終わるので、時間がない方や、女性の方、勿論上級者の方にもお勧めのサイズです。
全体の14%を占めているのは「コロニアレス」です。創業当初は、「フンダドレス」1種類しかなかったトリニダッドですが、2004年に三種類が追加されました。その一つがこの「コロニアレス」です。40分位のサイズで、少しずつ葉巻に慣れてきた方に丁度いいサイズになります。トリニダッドらしいクリーミーな強さが十分ありながらもしつこくないので、旨味も引き立てます。
最後に12%を占めているのは、前回にも紹介させていただいた「ビヒア」です。
前回は、全体の7%でしたが徐々に注目が集まり、現在トリニダッドには、ビヒアの様な大きいリングゲージ(葉巻の太さ)のものがなく、発売されて以降、待ちに待ったとばかり人気がでてきています。
前半は、トリニダッドらしいクリーミーな甘味とローストしたカシューナッツの様な香りを感じ、力強いフィニッシュを迎えてくれます。
シガーバー スーペルノーバ 2017年上半期調査
対象:2017年1月から6月 北新地店・淀屋橋店 お客様ご注文・シガー約80種
<本調査に関するお問合せ先>
シガーバー スーペルノーバ北新地店 TEL:06-6346-3377
当バーでは、常時、約80種以上のシガーをご用意しております。
ソムリエのように好みを伺いし、あなたに合うシガーをご用意いたします。お気軽にスタッフまで。