「カバラン」は、台湾の東側に位置する宜蘭(ぎらん/イーラン)で生産されているウイスキーです。「カバラン」の名は、古代先住民カバラン族(クバラン族)が開拓した美しい土地、宜蘭の旧名「Kavalan(カバラン)」にちなんでいます。
「Kavalan(カバラン)」は、カバラン族の言葉で「平原の人」の意味。「カバラン」を手がけるカバラン蒸溜所はその名のとおり、山と海に囲まれた風光明媚な蘭陽平野にあります。雪山山脈の澄んだ甘くやわらかな水に恵まれ、太平洋の海風と潮気が、世界を魅了するウイスキーを生み出す下地となっています。
2005年に設立されたカバラン蒸溜所は、台湾の大手飲料メーカー金車集団によって創立されました。創業者の李氏親子は、日本とスコットランドの蒸留所を見て周り、台湾で唯一の麦芽の粉砕・糖化・発酵・蒸留・熟成・ ブレンドを自社で行う蒸留所を誕生させました。
そんな「カバラン」が注目されるきっかけとなったのは、2010年にスコットランドのエディンバラで開催されたウイスキーのブラインドテイスティング大会で、2008年にリリースした「カバラン」初のウイスキー、「カバラン クラシック シングルモルト ウイスキー」が優勝を飾りました。リリースしてからわずか2年で優勝したことにより、世界を驚かせました。以来、多くの国際コンペティションで数々の賞を受賞し、専門家や評論家からも高い評価を得ています。
通常台湾では、最低でも2年熟成させないといけない決まりがあるのですが、カバランはさらに2年熟成させて4年以上の熟成期間を経て瓶詰めを行い出荷されています。
一説には、台湾で4~6年ほど熟成されたウイスキーは、15~25年熟成させたスコッチウイスキーに匹敵するともいわれています。「カバラン」も、短期熟成なのに長期熟成されたような奥深い味わいをたのしめるのが魅力です。
その反面、「天使の分け前(エンジェルズシェア)」と呼ばれる熟成中に揮発するウイスキーの量は、スコットランドが年間2~3%程度なのに対して、亜熱帯の台湾は15%前後。冷涼な地域よりはるかに多くのウイスキーが蒸発してしまうため、「カバラン」の職人には熟成度合いの見極めによりいっそう神経を使うことが求められています。
こちらのオロロソシェリーオークは、50%オーバーのカスクストレングスのソリストシリーズも販売されています。それに加水をして46%まで度数を調節し、風味や口当たりは『ソリスト オロロソシェリーカスク』とやや異なり、アルコールの強い刺激が抑えられ、やわらかく飲みやすいウイスキーになっています。シェリーカスク独特の芳しい甘み、幾層にも広がる豊かな香りはそのままです。
世界中の方々の間で親しまれているカバランを是非、この機会にご賞味くださいませ。