1911年、毛皮商として成功を収めていたシャンパーニュ愛飲家ウジェーヌ・エメ・サロンが自分と友人たちが飲むために造ったシャンパーニュが「サロン」の始まりです。
彼はシャルドネの聖地、コート・デ・ブラン地区のル・メニル・シュール・オジェに「サロンの庭」と呼ばれる、わずかな広さの畑を購入し、シャルドネのみで純粋なブラン・ド・ブランを造り上げました。
このシャンパーニュはパリきっての社交場として知られたレストラン「マキシム」のハウスシャンパーニュとして振る舞われ、1921年には増えてきた顧客に対応できるよう、地下にセラーを備えたメゾンが建てられたほどです。
一般的にシャンパンは、毎年安定した品質でシャンパーニュを造るために、いろいろな年のワインをブレンドして作られるものが多いですが、サロンのシャンパーニュは単一年のワインのみを使用して作られます。ブドウの出来栄えがよくない年にはサロンは作られません。
しかも、単一品種の一番搾り果汁だけを使い、瓶内熟成に10年間以上かけています。その為、誕生以降100年の間にリリースされたサロンはわずか37回のみです。
これが稀少で”幻のシャンパーニュ”と言われる所以なのでしょう。
また、ルミアージュ(動瓶)を機械化しているメゾンも多い中、サロンでは職人が毎回8分の1ずつ瓶を回して澱を瓶口まで集めるという作業を5~6週間に渡って行うなど手作業にこだわり丁寧に生産されています。高貴で妖艶、パワフルでありながら上品。もはや芸術とも称されるサロンの味わいをぜひご堪能ください。