北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年後に竹鶴政孝が第二の蒸留所に選んだ地が仙台・宮城峡でした。宮城峡蒸留所が誇るのが、「カフェ式連続式蒸留器」です。導入当時、すでに旧式とされていた蒸留器です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留器を選びました。
2024年に創業90周年を迎えるニッカウヰスキーが保有する多様な原酒や原料、発酵などの製造工程によるウイスキーのつくり分けの歴史が生み出す奥深さに焦点を当てた“NIKKA DISCOVERY シリーズ”の第一弾商品の一つとして数量限定発売されたのが「シングルモルト宮城峡ピーテッド」です。これまでの宮城峡の限定品はウッドフィニッシュで使用した樽種の違いで個性を変えてきました。
今作は、フィニッシュを行わず、「原材料の違い」によってシングルモルト宮城峡の魅力を活かしつつ、隠れていた意外な個性を引き出したウイスキーです。本来は華やかでフルーティな宮城峡を、あえてピーテッドモルトのみを使用しました。宮城峡の個性を活かしつつもピートを加えることで宮城峡モルトの芳醇で軽やかな甘さの中にしっかりとピートも味わえるバランスの良いウイスキーです。ぜひお楽しみください。