「竹」という意味を持つ「バンブー」は、日本生まれのカクテル第一号として国際的に認知されています。このカクテルが生まれた場所は、横浜ニューグランドホテルの前身で、1870年(明治3年)に横浜の外国人居留地に開業した「横浜グランドホテル」のバーです。
その横浜グランドホテルに1889年(明治22年)、支配人兼バーテンダーとして米国、サンフランシスコからルイス・エッピンガー氏が着任し、翌年にこのカクテルが生まれました。
当時アメリカで人気のあった「アドニス」というカクテルからヒントを得て、アドニスのレシピのスイートベルモットをドライベルモットに変えたレシピになります。
エッピンガー氏はこのカクテルが「竹のようにまっすぐで、クセがない」こと、そして日本生まれであることから、「日本=竹」をイメージして名付けました。
バーのメニューに取り入れたところ、たちまち横浜を訪れる外国人客から高い評価を得て「バンブー」は日本から各国へ伝わり、「日本生まれのカクテル」として世界中から愛されるようになりました。これが今では120年もの歴史を持つカクテル「バンブー」の誕生の物語です。
ドライベルモットのすっきりとした味わいと鼻に抜けるシェリー酒の香りが相まって「最高の食前酒」とまで言われており、海外でも人気の高いカクテルの1つです。