近年、ジンを製造する蒸留所は日本中各地で大幅に増えてきています。一昔前までは、蒸留酒のお酒造りは地方で行われていたというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、現在ではその印象も随分と変わってきました。都市部にある蒸留所は「都市型蒸留所」と呼ばれ、実は、全国的に見ても東京都にジン蒸留所が一番多く存在しています。
高級住宅街というイメージの東京・田園調布にある「Blue Rabbit Distillery(ブルーラビット蒸溜所)」は2022年に設立されました。こちらの蒸留所は、都市型蒸留所ということ意外にも特筆すべき点があり、蒸留所で造られる蒸留酒のテーマが「Quality Craft Spirit Made in Japan by a Scotsman = スコットランド人による日本製の高品質クラフトスピリッツ」であり、スコットランド人によって造られているということです。
また「ブルーラビット」という名前に決まった理由も面白く、ある日、青いマティーニを手に持ったウサギが夢の中に出てきたそうです。そこから普通ウサギは白いものだと思いますが、青いウサギにしたらどうかと思いブルーラビットという名前が付けられたそうです。
蒸留所のオーナーであり蒸留士でもあるマーク・ローレンス・スミスさんは、イギリス人なので、007とジェームス・ボンドが好きなんだそうです。このウサギは彼をモデルにしていて、そして、ジェームズと言えばマティーニなので手にマティーニを持たせています。
日本の焼酎をベースに、厳選したボタニカルを「ブルーラビットプレミアムジン」に注ぎ込んでいます。ベースボタニカルのジュニパーはイタリアで収穫されています。ブルーラビットプレミアムジンは、ジュニパーの風味にヒノキ、山椒、ラベンダーの花を注入し、繊細なフローラルバランスを実現しています。
最終的に青い色として製品にしているブルーラビットプレミアムジンですが、どの様に色付けしているか分かりますか?
最初に出来上がるスピリッツはクリア。そこから、バタフライピー(蝶豆)を漬け込んで着色しています。トニックウォーターを注ぐと青色からピンク色に変わります。
バタフライピーはマメ科の植物で、日本名で「チョウマメ(蝶豆)」とも呼ばれています。
ハーブの一つであるバタフライピーは、ハーブティーのほかにもスイーツやラテなどにも取り入れられていて、タイのカフェメニューとしても知られています。
バタフライピーはきれいな青色の花を咲かせますが、花を使ったハーブティーなども、同じように鮮やかな青色をしています。そのため日本でも、いわゆる「インスタ映え」する飲み物として、バタフライピーはSNSを中心に注目されているようです。
しかしバタフライピーの人気を集める理由は、それだけではありません。その美容効果も、注目を集めている理由といわれています。
バタフライピーの青い花には「アントシアニン」が含まれています。アントシアニンは抗酸化作用を持つポリフェノールの一つで、エイジングケア効果を期待できるといわれています。
ブルーラビット蒸留所のすべてのスピリッツは、蒸留所で全て手作業で製造、瓶詰め、ラベル付け、包装されています。製造された各ボトルは、蒸留所のロゴが刻印された天然木のトップで密封され、ネックラベルが付けられ、蒸留所によって個別に番号が付けられ、署名されています。
バタフライピーの鮮やかな青色をそのまま楽しむのも良いと思いますし、トニックで割ってピンク色のジントニックも是非お楽しみください。