厚岸蒸留所は北海道厚岸郡厚岸町に2016年に誕生しました。
創業者でありオーナーである樋田恵一氏は若い時からウイスキーの奥深さに魅せられ、特にアイラモルトに心惹かれていました。「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いから選んだ土地が、北海道の厚岸町でした。厚岸を製造拠点に選んだのは、アイラの様に独自の風土を厚岸は持ちウイスキー造りに適した環境だったからです。
蒸留所周辺はエゾ鹿が出没する大自然にあり、ホマカイ川の水はピート層で濾過されアイラ島の水の様に茶褐色をしています。海藻を含むピート、植物を含むピートを使用した自家製ピートも製造可能な土地なのです。又、寒暖の差も激しく、夏は20度を超え、冬は-20度を下回りウイスキーの熟成も楽しみな土地です。アイラ島の環境に似た、厚岸湾すぐ側の熟成庫でウイスキーを熟成させ、空気中を漂う潮気を含んだ海の香りが、ウイスキーの香りに良い影響を与えます。こうして厚岸の風土が生む唯一無二のウイスキーが生まれています。
厚岸蒸溜所では、2020年10月のシングルモルトリリースを皮切りに、「二十四節季シリーズ」として3カ月毎に新商品を販売しています。中国から伝わった二十四節気。一年を24等分して季節を表す名称を付けたもので、立春や夏至などもこれにあたります。
こちらは、厚岸ウイスキー「二十四節気シリーズ」の第七弾である“清明”です。
「清明」とは二十四節気の中では5番目に当たる日で、「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉を略したもので、「清らかで明るく生き生きとした様子」「すべてのものが清らかで生き生きしている」などを意味しており、4月5日から4月19日頃までに当たります。草花が活気づき、春の息吹を感じる季節です。新たな環境がスタートする季節ですので、たくさんのエネルギーを使う季節となります。
清明の七十二候(古代中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のこと)には、「玄鳥至(つばめいたる) : 燕が南からやって来る」とあるように、ラベルはフレッシさを感じさせてくれる清々しい青と緑、燕のシルエットがあしらわれています。
樽はバーボン樽主体でシェリー樽、ワイン樽、ミズナラ樽をノンピートとピートの計7種類の樽を使用しています。厚岸の特徴でもある甘さとピートがしっかり感じられるウイスキーです。
新年度・新生活が始まり、新たな環境での生活や仕事がスタートする人も多く、環境に馴染むのにエネルギーをたくさん使うこの時期。まさに今の季節にぴったりなウイスキーをぜひご賞味ください。