バレンシアはアプリコットブランデーにオレンジジュース、オレンジビターズで作られる甘口の非常に飲みやすいカクテルです。
その発祥に関しては文献が少なく、特定が難しいのですが、その名の由来についてはバレンシア種というオレンジからつけられたか、スペインのバレンシア州からきているかのどちらかだと言われています。
バレンシアオレンジとは、アメリカのカリフォルニア州サンタアナで、19世紀半ばに交配され生まれた品種で、スペインのバレンシア州で生産されているオレンジによく似ていることから名付けられました。バレンシアオレンジは夏場が旬の珍しいオレンジで、特徴としては栽培に大変手間がかかり、収穫までに約400日と、1年以上かかります。
カクテルの「バレンシア」は、1930年の「サヴォイ カクテルブック」に既にレシピが載っていることから、その頃にはカクテルとして名が知れ渡っていたのでしょう。
「サヴォイ カクテルブック」にはバレンシアのレシピが2通り載っており、片方は現在でも主流なショートカクテルスタイルでのレシピであるのに対し、もう片方はシャンパンでフルアップするレシピが紹介されており、こちらのカクテルは現在では「バレンシアコブラー」と呼ばれています。
バレンシアは、柔らかい甘みで非常に飲みやすく、比較的アルコール度数も低いので女性に人気なカクテルです。
アプリコットとオレンジの香りが見事に調和し、絶妙な爽やかさが生み出されています。
是非お楽しみください。